2019年度エクセレンス資格認定試験「筆記」から2020年度対策を考察する
1、合格者数
(1)一次「筆記」試験合格者数の傾向は昨年とほぼ同じ
①ソムリエ・エクセレンス 27名(2018年度27名)、
②ワインエキスパート・エクセレンス 25名(2018年度24名)
(2)今年度は試験の難易度が高く(全問記述・8割原語回答)、昨年度に比べ合格者の最低点数が低いと予想できますが、一次「筆記」合格者数は昨年とほぼ変化ありません。
①この点から考察すると、試験の難易度には関係なく、合格者数をほぼ固定している可能性があります。
②今年度は、「ほぼ原語回答」という森常務の告知や受験会場を東京1ヶ所に絞った影響で受験者数が若干減りました。
③しかし、「シニア」資格保有者で「エクセレンス」に移行できない方が約3千名(2013年以前のシニア資格取得者シニアソムリエ・アドバイザー2,713名、シニアエキスパート253名)おり、来年受験資格を取得する方2,700名を加えると受験可能者は多数に上ります。
④こうした受験可能者が受験してくると、合格者数が固定された場合、合格率が低下し、合格の難易度が上昇します。
(3)上記から2020年度試験を考察すると、今年様子見をしていた2013年度以前のシニア資格保有者が本格的に参入してくる可能性があり、ワイン講師やコンクール上位ソムリエなどのアドバンテージを有する受験者が受験し、それ以外の合格者の枠がさらに狭まることが予想できます。
2、試験内容
(1)2018年からシニア資格の「筆記」問題は非公開となりました。
(2)2018年の受験者の記憶をまとめ、試験問題を再現しました。
(3)2019年の試験問題の特徴
①2018年から全問記述問題になりました。
②原語での記述問題が増加しました。
(2017年10問12.5%→2018年30問37.5%→2019年約70問88%)
③問題数は昨年同様の80問でした。
(4)内容の分析
①フォローアップセミナー(FU)の情報で教本にも掲載している内容が多数に上りました。
②また、FUでメキシコのメスカルが説明されましたが、試験でテキーラのブランド名が問われたり、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌに触れられたら試験ではその地理的表示が問われたりとFUで取り上げられた内容の周辺情報も重要です。
③一般呼称で出される基本問題はほとんど無く、FUで取り上げられる水準の問題であり、FUで取り上げられた内容周辺の教本箇所をFU内容水準で読み込んでいくことが必要です。
④教本の追記・変更箇所の出題が多い傾向があります。
⑤ほぼ原語回答が求められ、徹底的に書いて覚える重要性が増しています。
3、2020年シニア資格試験に向けた効率的な準備について
(1)出題者である日本ソムリエ協会技術研究部の問題意識・注目点が重要で、5月末から7月はじめにかけて開催される「フォローアップセミナー」の内容が最重要になります。このセミナーで強調された内容を中心に、事前配布されない当日上映パワポも含めて徹底的に理解することが最重要です。
①まず、最初に開催される札幌会場に参加し、当日上映パワポの撮影を行い、完全資料を作成します。
②7月中にフォローアップセミナーの内容を暗記します。7月はじめの東京会場の前にポイントの暗記を行い、最終の東京会場での講師のニュアンスを含めて、完全暗記にもっていきます。
(2)教本の出題は、一般呼称資格で問われる王道問題は無く、上位資格として知っておくべき内容が問われます。フォローアップセミナーで触れられた箇所は当然のこと、前年からの変更箇所が特に出題されやすいです。
教本内容は4~6月の授業期間で変更箇所中心に1巡、フォローアップセミナーの7月の内容見直しで2巡、次の千本ノックで3巡・4巡し、教本内容の完全暗記にもっていきます。
(3)「筆記」試験に向けた記憶の定着のために、8月・9月は模擬問題・千本ノックを毎回の授業で行ないます。自分の記憶の欠如部分の発見、記憶の再確認を行い、完璧な記憶に仕上げます。並行してこの時期には原語記載の練習を徹底的に行ないます。
4、「テイスティング」「実技」「論述」の準備について
(1)「テイスティング」は「筆記」対策講座の中で分析的コメントの基礎を仕上げていきます。品種当てではありません。今年も全品種外した方全員が合格しています。分析的コメントの訓練をした成果です。コメントは暗記ですので、暗記モードの「筆記」試験対策と同時期に行なうことが効果的です。毎回、「筆記」対策2/3、「テイスティング」対策1/3の時間を使って講座を組み立てます。
(2)ソムリエ・エクセレンスの「実技」は、協会HP動画を完全にできるようにし、あとは制限時間との勝負です。ワインエキスパート・エクセレンスの「論述」は、①ワインの直近の話題テーマ、②愛好家として素養が問われますので、予想問題を徹底的に記述する練習をします。
(3)「筆記」試験終了後から合格発表まではプレ講座、合格発表以降、試験までは本格講座を開催します。
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